スーツケースのキャスターの寿命を長持ちさせる正しい使い方
軽量化があまりにも行き過ぎた現代のスーツケースで一番壊れやすい部分は、ポリカーボネート樹脂でできたボディ部分です。海外の空港で投げられたりすることによる破損がほとんどです。
一方、何もない日常のシーンでキャリーバッグが破損するケースで一番多いのは、やはりキャスターの摩耗によるものでしょう。
最近のスーツケースは、ハンドルや取っ手やロックなどが随分と頑丈になりましたので、滅多なことでは壊れません。
また、安物でなければキャスターも相当頑丈になりましたので、空港で投げられて破損というのは珍しいケースになってきました。投げられて車輪から接地しても、キャスターは壊れずにキャスター周りのボディが歪んだり割れたりというケースが殆んどです。
とはいえ他のパーツ類と違って回転機構ですので、回転することによる摩耗は避けて通れません。頑丈とはいえ、長い距離を走行していればやがて磨り減っていきます。
普通の旅行用途であれば、車輪寿命よりも空港で破損させられることが先に来ますので寿命を気にする必要はないのですが、正しく使っていないと車輪の寿命のほうが先に来てしまいます。
まだまだボディは使えるのに、キャスターが磨り減ってしまって使えないということになるとバカらしいので、正しく転がして長持ちするように心がけましょう。
4輪のモデルは4輪で転がす
旅行カバンには2輪のモデルと4輪のモデルが有ります。最近は4輪モデルが主流になってきましたが、小型キャリーバッグは2輪のものも見受けられます。
4輪モデルは2輪走行もできるので完全な上位互換では有るのですが、2輪の方が強度が上であるというメリットも有ります。ただ、最近は4輪も頑丈なので、使い勝手から4輪のほうがおすすめです。
スーツケースというと、伸び縮みするハンドルを伸ばして、本体を斜めにして2輪で走行するというイメージが強いようですが、4輪のモデルは4輪で走行するのが基本です。
というより、試してみれば良く分かりますが、平らな場所で移動する分には、4輪走行のほうが圧倒的に楽です。斜めにして2輪走行すると、腕に結構な重量がかかりますので、大きな負担になります。一方の4輪走行は、手に大きな負担がかからないため圧倒的に楽です。
段差のある場所や石畳の道など、2輪走行でないといけないシーンも有りますが、平らな場所では基本的には4輪で走行するべきです。
同じ重さが2輪にかかるのと4輪に分散するのとでは保ちが全然変わってきます。
2輪走行の際は、カバン本体を倒し過ぎないように注意!
4輪モデルで2輪走行を行った時、一番多い破損パターンがこれです。ハンドルを伸ばして片腕で引っ張っていると、腕に結構な負担が来るため、無意識の内に鞄本体がどんどん寝ていってしまうのです。
基本的にはスーツケースの本体が地面に対して45度以上の角度で立っているの理想です。しかし、疲れてくると腕が下がってしまい、45度よりも本体が寝てしまい、ボディを引きずるような形で引っ張ってしまいます。
こうなると、車輪の部分ではなく付け根のハウジングの部分が地面と接地してしまい、ハウジング部分やボディの底面を地面で擦りながら引きずる格好になります。疲れていると擦れているのに気が付かないようです。
ハウジングが擦れて削れる程度でしたらマシな方でして、倒しすぎると車輪が斜めになったままロックされてタイヤが回転しない状態で引きずられ、車輪が削れて使い物にならなくなってしまうこともあります。
今まで修理依頼を受けたキャスター破損のうち大半がこのパターンでした。特に安物のキャリーバッグの小さなキャスターに多く見られる現象である気がします。
2輪走行時はくれぐれも倒し過ぎないように注意しましょう。また上記の通り、平らな場所ではなるべく4輪走行をするのが基本です。
重すぎるものを入れない
スーツケースにはこの程度の重量の荷物を入れて使用しても問題ないという設計重量があります。多くのメーカーでは30キロ程度の重さで落下テストなどを行っていますが、これは通常料金で預けられるリミットが20キロ少々の航空会社が多いためです。
では30キロまでは問題無いな、ということでありません。メーカーは30キロの重量で5回落下しても耐えられるなどの基準でしか試験を行っていません。長く使おうと思えば何度も投げられるわけですから、できるだけ軽くしておくに越したことはないのです。
やはり鞄本体を入れて20キロは超えないようにするのが安全な使い方です。更に軽ければ軽いほどなお良しです。
ボディ破損だけではなく、キャスターの寿命も同じで、重いものを入れて転がしていればいるほど摩耗は激しくなります。荷物はできるだけ軽くして、掛かる重量を分散するために4輪で走行するのが一番キャスターに優しいのです。
いかがだったでしょうか?正しく使ってなるべく車輪が長持ちするように努めたいものです。メンテナンスについての記事も合わせてご覧くださいませ。
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